冬のこころを纏うもの展
会期 : 1月21日(金)〜 1月29日(土)
場所:This____2nd(This___の真向かい)
12:30ー18:00(水・日は定休日)
オンライン販売開始 : 2月6日(日)20時〜
まだまだ寒い本格的な冬に、あたたかくふわっと纏いそっと心に寄り添ってくれる、そんな3つのブランドの合同展を開催いたします。
身に纏う FREEMAN--B
香りを纏う FLŌRAOUS
纏う飾り sense organ
寒い寒い冬から芽吹く春に向かって、穏やかに毎日を過ごせる特別なアイテムたち。This___2ndの空間で、ゆっくりとお楽しみくださいませ。
※会期終了後にOnlineShopでも販売予定です。
【FREEMAN-B 】 身に纏う
This___では3度目となるFREEMAN-Bのカシミアの販売会。デザイナーの柿岡さんが沢山のカシミアのアイテムをThis___のお客様のためにとこの冬ご用意頂いております。
モンゴルの遊牧民が大切に育てたローカシミアを中心に地球、環境に優しいカシミア100%のニットを作られているカシミアファクトリーブランド、FREEMAN--B フリーマン 。ローカシミアとは、染めない、原毛そのままの色を使ったカシミアのこと言います。
FREEMAN--B 柿岡さんの活動は原毛となるカシミア山羊の生活環境を確認するところから始まりました。選ばれたカシミア山羊は、モンゴルの遊牧民たちと生活を共にし、信頼関係のもと広大な自然の中でストレスなくのびのび生活をしています。
ミネラルの豊富な土地の草を食べ、優しくブラッシングされ取れたカシミアはあたたかく柔らかい毛になります。FREEMAN--Bのニットには、大切に愛情を持って育てられた上質なカシミアが使われているのです。
また、原毛の仕入れから、紡績、縮絨、ニットに編み上げるまで、全て見える工程で、一貫して行っています。生産工程の中に地球環境への配慮の無い薬品などは一切使わずに「カシミア」らしさが一番に出る製法にこだわっています。仕上げも人工化合物に頼らず、排水を汚さない植物性の石鹸を使用しています。
驚くほどチクチクせず、ふんわりやわらかなFREEMAN--Bのカシミアは、1度着用すると手放せなくなる、そんな肌触り。赤ちゃんでも安心してお使いいただけることから、赤ちゃんへのファーストカシミアとしてもお使いいただけます。実際に触れ、ぜひその感触を体験してみてください。
interview
ーFREEMAN--B(フリーマン)をはじめた経緯やカシミアとの出合いについてお聞かせください。
前職はアパレル業界に身を置いていましたが、会社が倒産してしまい、フリーマンの前身である会社の立ち上げに携わりました。しかし、その時の社長が辞めてしまい、急遽会社を引き継ぐことに!
自分が代表となるならば、持続可能な循環する素材で、地球環境にも極力配慮し、商品を購入してくださることで、自然と環境問題につながれることなどと思い巡らせていたところ、親族のいる台湾の工場で、長くカシミア製品を大切に生産していることを思い出し、なんとかカシミア製品を作らせてもらえないかと何度も自ら直接交渉をして、今に至ります。 こちらの工場の社長が、モンゴルの遊牧民の元に直接足を運び、数十年に渡り遊牧民が育てるカシミアを大切にしてきていたので、その思いは簡単なものではなくて、直接頭を下げて何度もお願いをしました。
今でも、FREEMAN--Bの商品と自社商品の生産しかしておらず、私の想いを満たした条件でカシミア製品の生産を続けており、その仕入れの背景や、信頼の置ける安心した生産過程であると知り得たので、FREEMAN--Bを始めました。
この工場との出合いが無ければ、FREEMAN--Bは今もなかったと思います。
ーFREEMAN--Bのカシミアは本当に質がよくリピートされる方も多いと思いますが、他のカシミアとの違いやコンセプト、拘りなど伺わせてください。
素材の美しさやカシミア山羊たちの可愛さ、遊牧民たちへの敬意、自然から分け与えられているものを大切に使うことに重点を置いています。
フリーマンのカシミアの原毛は、モンゴルの遊牧民の方たちが家族としてカシミア山羊と共に生活しており、5月の換毛期に、不要になった産毛を一頭づつブラシで梳きとります。ブラシで梳き取ることで、繊維に傷が付かず長いままの状態で集めることができるのです。
カシミヤは長さが長いほど等級が上で、さらに希少になっていきます。ピラミッド型のように、最上段がトップカシミヤ、一番下の段が短い毛で量が多いとなっていく感じです。価値も変わります。
フリーマンはトップカシミアがメイン。長い毛(トップカシミア)を使用することで、肌触りは特に意識しながら作っています。それは触れて頂ければすぐに納得していただけるかと。
ミネラル豊富で良質な岩山や水があり、良い草場があること、標高が高くて寒暖差が激しい地域、無理な品種改良がされていないことなどの条件をすべて叶えている地域が内モンゴルに住むカシミア山羊たちなのです。
メインにしている「Raw cashmere(ロウカシミア)」は、無染色です。
山羊そのままの毛色で、漂白などもしていません。
色を染める過程では、排水が自然環境に影響してしまうので、それを減らしていくことも目標にしています。
また仕上げの工程では、通常よく使用される化学薬品配合のトリートメントはせず、植物の油を配合した石鹸で2度洗いすることで仕上げをしています。ですので、お肌の弱い方や、赤ちゃんでも使えるカシミアになってるんですよ。
ー昨年イメージビジュアルやロゴががらっと一新されましたがその経緯や想いは?
必死にブランドを始めた当初はロゴなどまで手が回らずでしたが、ずっと素材やコンセプトをプリミティブに表現したいと悩んでいたところThis___さんで出会った紙事で、流れるようにロゴを紙事さんにお願いできる事になりました。
ビジュアルも、大好きな憧れのカメラマンさんがいたのですが、「まさか」と思いつつもお問い合わせさせて頂いている最中に、これまたThis___さんでバッタリお会いすることに!
カシミアは素材的に、オーソドックスかナチュラルにイメージが偏りがちな印象があり、そうでなはい、本質的でいてアートピースな空気感がある表現を求めており、ロゴもビジュアルも、それを叶えて下さる方達に出会えたことで、すべてが一体となったものへと一新することができました。
Mongolian landscape
新しく完成したFREEMAN--Bのロゴからはモンゴルの景色が広がります。
モンゴルの草原、そこに立つ遊牧民、自由に人の側で暮らすカシミヤ山羊たち、小さな山々や 風にたなびくものたち、それらを想像しながら見て頂けると嬉しいです。
ーThis___での販売会に向けて一言お願いします。
今年も寒い、カシミアの季節が。この時期に、私の大切な場所である「This___」さんでカシミアたちを見ていただけること、本当に嬉しく思っています。
毎回見に来て下さるお客様もいらして、お会いできること、私も楽しみにしています。
なるべくお店に居られるようにと思っておりますので、お邪魔でなければ、ぜひ、カシミア達のお話をさせてください。今季も、カシミア達をどうぞ宜しくお願いします。
【FLŌRAOUS】香りを纏う
ご夫婦二人によるブランド「FLORAOUS(フローラス)」。自ら調合してつくられた香りを中心に、それにまつわるアイテムを作られているライフスタイルブランド、This___では初めてのご紹介となります。
This___ではオリジナルのブレンドエッセンシャルブランドオイルの香りがあり、なかなか他のブランドさんの天然香料の香りはご提案できなかったのですが、今回ご紹介するFLORAOUSさんの香りは、是非ご紹介したい!と心から思った本当に今の私たちにすっと寄り添ってくれる素朴でありながら存在感のある毎日に是非纏って頂きたい香りです。
理想の仕上がりを追求して厳選されたブレンドエッセンシャルオイルは全部で5種類。それぞれが、心身のバランス、季節や時間からインスピレーションを受けて調香されています。
香りを持ち運べるポータブル使いなアロマサシェや、オーガニックオイル/精油のみで昔ながらのコールドプロセス製法で作られている、オーガニックソープ、それに纏わる道具たちを展開されています。
また、カシミヤや繊細なウールなどのお手入れを日常に取り入れ洋服を永く愛用してほしい、という思いから生まれた衣類用ブラシもあり、FREEMAN--Bのカシミアとも相性抜群。
パッケージもとても美しく、その佇まいまでも凛としていて日常生活になじみの良いデザインや、カジュアル性などを視野にいれてデザインされています。
interview
ーFLŌRAOUSはご夫婦で作られたブランドで、それぞれの経歴などがブランドをより豊かにしていると思うのですが、経歴やその影響など,,,
●ダイトク ヨシマサ
建築と洋服の学びを礎に、イタリア・ミラノに約10年滞在する中でフリーランスデザイナーとして仕事を始めてから、グラフィックデザインを中心にインテリア、プロダクト、衣服などのデザインや制作に携わってきています。FLŌRAOUSでは、ブランドディレクションやデザインを担当しています。
●ダイトク ヨシノ
小さい頃から自然の香りに親しみを持ち、くらしの中に香りがあると深い呼吸と安心がうまれることに改めて気づき、Aromatherapyの世界に入りました。Essential Oilの持つ香りの色で、季節や時間の流れの中にある風景、心の景色を描いています。環境に配慮したものづくりを好み、FLŌRAOUSでは調香、石鹸のレシピを担当しています。
FLŌRAOUSを作るきっかけは、ある方とのコラボレートフレグランス製作が一つのきっかけとなりました。そこから他の香りや、それに纏わるプロダクト、衣服、アンティークなどに暮らし全体をイメージしていくように発展していっています。
暮らしを纏う。
自然素材を用いた香りや衣服、工芸の制作、アンティークなど古のものの蒐集などをしています。記憶とつながる過去、今を生きる現在、五感によって感じとる様々な民族的文化を交差しながら、散在している点と点を結んで線を紡ぎ、ひとつの球体の創造に近づくように歩んでいます。
ー香りやデザイン、それぞれのアイテムの共通する拘りを伺わせてください。
自然の素材を生かしたデザイン、環境に対する配慮、立体感、距離感、馴染み感、機能面、雰囲気や佇まいなどのバランス、多くの方に知っていただきと思えるような、伝統工芸的な手仕事などを積極的に取り入れていきたいと思っています。
例えばサシェの包紙に使用している紙は、型押しを模した日本に古くからある唐紙を使用していたり、香り袋に表現されている刺繍は細かな手仕事で、ベトナムの職人に一つ一つ刺繍を施して頂いています。
主役は植物と使う人
両方が喜ぶものづくり
・精油は100%天然のもののみを調香
・鮮度の良いものを提供
・景色が思い浮かぶような、使う人に心地よさがある穏やかに香る調香
・環境へ配慮した原料の配合
ー今回のイベントへの想いや、This___のお客様へメッセージなどございましたら是非!
個人的に生まれが東京の商店街だったこともあって、This___の立地要素、お客さまとの距離感にとても興味があります。在店予定日もありますので、皆さまとお会いできるのがとても楽しみです。
【sense organ】纏う飾り
大分県で活動されるタペストリー作家、sense organのayano andoさん。こちらもThis___では初めてのご紹介となります。
タペストリーはいつも、その時手にした流木、その時の感覚等ご自身の感覚やインスピレーションで制作されており、デザインも決まりがありません。今回This___での展示のために沢山やりとりさせて頂き、とっても素敵なタペストリーが完成し届きました!
ayano ando
2018年より、独学でタペストリーの創作をはじめる。
つくりたいのは、どっちつかずのまにまに漂うもの。例えばモダンと民藝。陰と陽。
一見、相反するようにもみえる2つの間にある 'つながりや'感じがよいバランスを自身の感性で探り、かたちにしています。
interview
ータペストリーを作るきっかけ、senseorganができたきっかけは何でしたか?安藤さん自身の経歴など教えてください。
2018年、sense organを立ち上げる前に突然、職を失ったことがきっかけです。
仕事も失った当時、私には時間だけがたっぷりありました。
大切にとってあった雑誌を引っ張り出すと、それがウォールハンギングでした。
海外のウィーバーの方の動画や本で織り方や必要な道具を調べ、織り機をいろいろ購入する資金もなかったので、織り機も自作で制作し、独学でタペストリーをつくりはじめたのが、sense organの始まりです。
いくつかあった小さな織り機は、何度も試作を織る時に使いすぎて壊れてしまいましたが、その時に制作した1番大きな織り機を今も大切に使っています。
経歴というと、ドレスコーディネーターや受付などの接客業をしてきました。全ての経験が今の私をつくっています。特に、ドレスコーディネーター時代に、何度か海外の買付けに同行させてもらえた経験は、良い糧となっていると思います。
ですが、思い返せば、育った環境こそが今に通じているものがあるかもしれません。
幼い頃からお小遣いやおもちゃを簡単に与えられる家庭ではなかったので、欲しいものは自分でまずは作ってみるというのが、比較的、当たり前の環境でした。縁日の出店でみたビーズの指輪が可愛い!と思えば、それを買って!とお願いするとだめで、ビーズと針金を買うお金だけなら許してもらえました。
どうやったら作れるの?どうやったらあれより可愛くなるの?と想像して、試行錯誤する時間と、結局欲しかったモノの通りではないけれど、私だけの愛着のわくモノが出来上がることが、何より楽しかったのかもしれません。自分用はひとつやふたつで十分だったので、上手に作れるようになれば妹や近所のおばちゃんにプレゼントして、喜んで貰えるのが嬉しかったのを覚えています。
sense organでの創作活動も、根っこは同じようなものかもしれませんね。
ー例えば流木についてや色味へのこだわりや、使われてる羊毛?などについてはいかがですか??
流木は気にいる形のものを探しに行くところから始まります。自然のものなので、思ったとおりの大きさや太さ、形のものを見つけるのはなかなか至難の技で、2、3時間探して1本も拾って帰らない時もあります。気長に少しずつ集め、いろんな海へ何度も足を運んでいます。
こうして自分の手で探した愛着のある流木を、洗浄、消毒、乾燥を繰り返して、まずは本来の美しさを確認します。
その後、少し手を加えた方がより美しくなりそうなものは、薬剤を塗布して白っぽくしたり、ヤスリを使って少しずつ削ります。
この作業で意識するのは、自然と作為のバランスです。
本来の美しさや良さを決して消すことのないように、流木によって1〜3回ほど薬剤を塗ったり、削り方の荒さや回数を変えて、少しずつ綺麗にしていきます。
今回のThis___さんの展示で作りたい作品のイメージとしては、グレーがかった白の流木がよかったので、いつもより薬剤を塗る回数を増やし、杢目の模様が綺麗だったり個性的な流木をタペストリー棒として選びました。
また、羊毛の素材選びなどでも、意識することは同じく自然と作為のバランスです。
染色したものよりは、羊本来の色味のままの原毛や毛糸を選び、織ることが多いです。
ただ、どうしても汚れが付着しているものは、手洗いして乾燥させると、見違えるほどふわふわで艶がでるので、そうして羊毛に合わせて、少しの手仕事を加えています。
ー織りながら何を想っていますか?
特定の何か、、というよりは、その時に自身が感じていることや、空間の雰囲気や漂う空気感など目に見えないものをイメージすることが多いかもしれません。
意識的なものもあれば、無意識なものも、、
琴線に触れるアートを見た時、海に流木を拾いに行った時、夫と美味しい食事をした瞬間の幸福、悲しい出来事、上手く説明できない自身の感情まで、、
何気ない日々の暮らしの全てがインスピレーションです。
そのインスピレーションを自身の中で咀嚼して、かたちにしています。
私自身は、言葉で伝えるのが苦手だったり、感じていることが膨大で伝えきれないので、それを発散しているものがタペストリーと、ひとり、織る時間なのかもしれません。
最近で言えば、自身が気になっている、祈りや月の満ち欠けがインスピレーションの場合が多いです。
今回のThis___さんでの展示も、そうした作品をいくつか制作しました。
ーThis___のお客様へと作って頂いた今回の作品のポイントやイメージ、メッセージなど。
まだ訪れたことはありませんが、私なりに感じたThis___という場所や雰囲気、そしてThis___を通して繋がるお客様像を想像しながら、全てのタペストリーを制作しました。
いつもの私自身がつくる作品は、削ぎ落とした中に何かひとつ加えるというイメージなのですが、今回の展示では'削ぎ落とす'ことに重きをおきながらつくったイメージです。
また、やり取りの中での 'シンボリック' という言葉もインスピレーションになりました。
最近、自身が気になっている祈りや月の満ち欠けというテーマをシンボリックにかたちにするには?と昨年末まで試行錯誤してたどり着いたのは、シルクです。
ずっと探していたThis___とsense organのまにまに漂う何かを表現するのに、シルクの持つ艶感やシックな雰囲気がぴったりだと思い、今回の展示では、あまり今までの作品では使用していなかったシルクを施したタペストリーも制作しています。
This___さんを通して繋がる初めましてのお客様。
sense organのタペストリーを見て、皆さまの五感に小さく'とくん'と響くものがあれば、心より嬉しく思います。
どうぞ、'冬のこころを纏うもの展'で、もう少し続く寒さも愉しんでくださいね。
※写真はsense organのInstagramより過去の作品です
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